概要
今回はFloatia Designsから発売されているコンプレッサー、Emerald Compressorのレビューになります。
- 出音が良いベース用のコンプレッサーを探している
- 発売されたのは知っているが音を聞いてみたい
といった方々の参考になれば嬉しいです。
以下、概要です。
- 実用的なベース用ペダルを多数発売しているFloatia Designsから発売されたコンプ
- 2ノブとシンプルな仕様でセッティングがしやすい
- 特に低域に付加される倍音が出音をレベルアップしてくれる
- クリーンブースターとしての使用も可能
- 内部のゲイントリマーで増幅率の設定ができる
2023年発売と比較的新しいコンプレッサーです。
特にSNSで製品発売の案内があり、そのサウンドが気になっているベーシストも多いと思います。
Floatia Designsさんのペダルはプロも使用しており、最近さらに注目度も上がっていますね!
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Floatia Designs
皆さんはFloatia Designsさんについてご存じでしょうか。
東京都内でオーディオ機器を製作しており、近年はベース用ペダルにも注力されているメーカー。
主なベース用機材に以下のものがあります。
- FETD-02L(プリアンプ)
- TFDI-02(DI)
- FETD-05(ベースドライバー:歪み)
- DSPU-24(24Vディスクリートパワーサプライ)
- Power Vessel(DCケーブル)
すべて愛用しています!
特にDIとプリアンプはシーンを選ばず常時掛けっぱなしにしています。
この他にも多数実用的な機材を開発・発売されており、プロアマ問わず高いレベルで音にこだわるベーシストに人気ですね。
残念ながら生産中止の製品もありますが、継続して新製品の開発が行われているようです。
非常に楽しみですね。
製品情報は公式Xのフォローをお勧めします。
Floatia DesignsさんのHPはこちら
それでは詳細を見ていきましょう。
外観
非常にシンプル。
2ノブのコンプレッサーといえばMXRのDyna CompやEBSのMulti Comp(旧型)が有名ですね。
Compressのノブで圧縮量を決め、必要な分Outputで持ち上げます。
黒い筐体トップには緑色をベースとしたプリントがされており、シンプルながらも立体感のあるデザインが特徴的です。
in-out
in-outは筐体センター左右に配置されています。
最近はトップに入出力があるペダルもありますが、左右に配置されているものも多いためごちゃごちゃせずに済みますね。
電源仕様
筐体正面から見て左側(OUT側)下部に電源端子が配置されています。
電源仕様はセンターマイナス、DC9-18Vとなっています。
一般的なパワーサプライで動作は問題ありません。
ただし、50mA以上の電流値が推奨されています。
購入時に極性変換をオーダーすることで、DSPU-24でも駆動できるようになるとのこと。
コントロール
トップにある2つのつまみですべてのコンプレッサーの設定を行います。
Compress
コンプレッサーの圧縮量を決定します。(正確には圧縮を決める閾値)
左に回すほど圧縮量が減り(閾値が上がり)、右に回すほど圧縮されます。
最小にするとクリーンブースターとなり、歪みの前段で増幅させるといった使い方もできます。
個人的には若干の倍音が付加され、非常に聞き心地の良い音にレベルアップしてくれるように感じました。
Output
コンプレッサーの出力レベルを決定します。
Compressで圧縮された分を持ち上げましょう。
前述したようにブースターとしての使用もできるので、欲しい分持ち上げてOKです。
個人的には圧縮された分だけではなく、積極的にブーストしていった方がこのペダルのおいしいところが出てくると感じました。
バックパネルを開けるとトリマーがあり、ゲインを調整することができます。
より歪み感が欲しい場合には調整してみましょう。
サウンドチェック
YouTubeにサウンドチェック用の動画をアップしました。
動画の内容は以下の通りです。
- センター
- 最小
- 9時
- 11時
- 13時
- 15時
- 最大
いずれもスラップ→指弾き→ピック弾きの順で、それぞれOFF→ONの繰り返しになります。
本動画の録音環境・シグナルチェインは以下の通りとなっています。
- ベース:Sugi NB4(Passive)
- ペダル:Emerald Compressor(本機)
- DI:Floatia Designs TFDI-02
- オーディオインターフェース:RME Baby Face Pro FS
- DAW:Studio One Professtional 6
各セッティングについて詳しく見ていきましょう。
セッティング方法
動画で紹介した各セッティングについて見ていきましょう。
張り付けた動画は再生位置を変更しているので気になるところだけ見ていただければと思います。
全センター
いかがでしょうか。
Passiveベースからの出力を何も通さずに本機に入力していますが、センターでも十分な圧縮感ですね。
圧縮された時に出力されてくる低域の立体感が最高です。
ピックになると入力が大きいためか若干の歪み感が得られます。
好みは分かれると思いますが、このサウンドは積極的に使用していきたいと思いました。
つまみの位置はあくまでも私の環境によるものですので、お手持ちの機材によって適切なものに設定してあげましょう!
最小
クリーンブースターとしての使用も推奨されている最小でのセッティングです。
基本的にナチュラルな出音ですが、私の環境では若干の倍音感が付加されたように感じました。
ブースターとして使用する際は積極的にOutput上げてみましょう。
ブースターは歪みの前段に接続するケースが多いですね。
ペダルにもよりますが、歪みに対しての入力レベルを変えてあげるとまた違ったキャラクターが出てくることも多いのでお勧めです。
9時
非常にナチュラルに圧縮してくれていますね。
- あまり積極的な音の変化は不要
- ピッキングのニュアンスを残しつつ不要なピークだけ抑えたい
といった場合におすすめのセッティングになります。
11時
続いて11時のセッティングです。
冒頭のセンターのセッティングとかなり近いものとなりますが、
- もう少し原音のニュアンスが欲しい
- ただしきっちりとコンプの仕事はしてほしい
といった場合におすすめのセッティングになります。
13時
しっかりと圧縮してくれていることが分かるかと思います。
かといって低域が失われたり、高域が目立ちすぎたりといったこともなく、素晴らしい回路のチューニングだと感じました。
特にこのセッティングでは低域の倍音感が目立ってきていますね。
ピック弾きではドライブ感も顕著なものとなってきています。
15時
ここまでくると圧縮感が強すぎますね。
積極的なサウンドの変化を狙う場合によさそうです。
いずれの奏法でも低域の歪みが感じられますね。
最大
やりすぎなセッティングですね。
ある種のバッファー・サチュレーターとしての使用もできそうです。
メリットデメリット
Emerald Compressorを導入するにあたってのメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
- 2つのつまみで直感的にセッティングが可能
- 特に低域に付加される倍音感がたまらない
- クリーンブースターとしての使用も可能
使用してみて特に驚いたのは全く低域が失われないことですね。
また、低域にコンプが過剰に反応することもなく、ローからハイまでバランスの良い圧縮が可能だと感じました。
デメリット
- 自分で細かいセッティングをしたいユーザーには向かない
- 価格が3万円台中盤とやや高め
アタックやリリースなど詳細なパラメーターを自分で設定したいユーザーには向きませんね。
逆に、とりあえず足元に置いて安心感を得たいベーシストには最適だと思います。
価格だけ見るとやや高めと表現しましたが、性能を考えると決して高くはありません。
まとめ
今回はFloatia Designsから発売されているコンプレッサー、Emerald Compressorについてレビューしてきました。
シンプルなコントロールから出てくると思わない、良い意味で予想を裏切ってくれる出音はサウンドにこだわるベーシストにおすすめですね。
まとめると、
- 実用的なベース用ペダルを多数発売しているFloatia Designsから発売されたコンプ
- 2ノブとシンプルな仕様でセッティングがしやすい
- 特に低域に付加される倍音が出音をレベルアップしてくれる
- クリーンブースターとしての使用も可能
- 内部のゲイントリマーで増幅率の設定ができる
となっています。
皆さんの機材選びの参考になれば幸いです。
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