【ベースコンプ】Clefs VCA Compressor レビュー【動画】

当ページのリンクには広告が含まれています。
目次

概要

clefs-comp-overview

今回はClefsから発売されているVCA Compressorについてレビューしていきます。

  • 最近名前を聞くようになったけど、一体どんなサウンド?
  • コンプレッサーの乗り換えを考えているけど良いのない?

といった方々の参考になれば嬉しいです。

概要
  • 原音mix、SCHP、Feed調整ができる多機能コンプレッサー
  • 上記のパラメーターを駆使し、理想のサウンドを追求することが可能
  • セッティングは浅めから深めまで守備範囲が広い
  • 生産量、販売店が限定的

指弾きからスラップまで様々な奏法をこなすベーシストにとって大事なコンプレッサー。
本機は守備範囲も相当広く、VCAコンプレッサーの決定版といっても過言ではありません。

正直このペダルがあれば困ることはありませんね。
そんなコンプが発売されてしまいました。

Clefs

clefs-about-clefs

国産ハンドメイドで完成度の高いペダルを製作しているブランド(個人製作)。派手でもなく高級感もない筐体を採用しており、一見地味なブランドと思う方も多いでしょう。

外観よりは中身にこだわりたいという製作者の意図が伝わってきます。

これまで、

  • Preamp 8820
  • Saturation Buffer
  • A-B Blender
  • オンボードプリアンプ

などを製作してきており、じわじわとその人気が高まってきています。

その理由は圧倒的なノイズ耐性と、ベーシストの「ツボ」をついてくれる性能。
派手な音作りというよりはベースからペダルボードの前後関係を補正しつつ、狙った音を構築しやすい製品になっています。

また、単体でももちろんその恩恵を受けることができますが、他のペダルとも相性が良い設計となっています。

最近であればプロベーシストの中村圭さんもPreamp 8820を使用していましたね。

https://twitter.com/kei4361/status/1655940681435840516?s=20

PreampとSaturation Bufferは筆者も所有しています。
SaturationBufferのサウンドチェックは以下の動画をご覧ください。

Clefs VCA Compressor

clefs-comp

そんなClefsが製作したVCA Compressor。
これまでのSaturation Buffer、Preampと同様、銀色の無骨な筐体になっており、上部に8個のつまみがあります。

一見すると、

  • 理想のセッティングができるまで時間がかかりそう
  • 扱いが難しそう

と感じてしまいますが、コンプレッサーの基本動作を抑えてさえいれば問題なく使用できます。

本機は、冒頭に示したようにBlend、SCHP、Feedなどを調整することができ、圧縮の具合のみならず、コンプレッサーのキャラクターまで変更できるペダルとなっています。

指弾きからスラップまで幅広く対応でき、まさにベース用コンプレッサーの決定版と言っても過言ではないでしょう。

それでは詳細を見ていきます!

外観

clefs-gaikan

筐体サイズはやや大き目となっており、MXRペダル1.2~1.3倍といったところでしょうか。
サイズの詳細は以下の通りとなっています。(多少の誤差あり)

サイズ
  • 縦:11.8cm
  • 横:9.3cm
  • 高さ:5.5cm(ノブ含む)※フットスイッチよりもコントロールノブの方が高い位置にあります。

筐体上部には電源ON/OFFの緑色のLEDと、ゲインリダクションが一目でわかる青色のLEDがあります。
後程紹介するサウンドチェックの動画でその動作をご覧ください。

※動画中では、電源ON/OFFのLEDの接触が悪く点灯しておりません。

in-out

clefs-inout

in-outは筐体下部の左右に配されています。

電源仕様

clefs-power

電源は筐体上部左側にあります。in-outと物理的に距離を取られていますね。
in-outと距離が近いと配線がごちゃごちゃしやすく、扱いにくいこともありますのでありがたい配置となっています。

電源仕様はDC9~24V対応となっており、300mA以上確保できるパワーサプライを使用してください。

なお、9V電池での駆動は不可となっています。

コントロール

clefs-control

筐体上部にあるコントロールでダイナミクス及びサウンドの方向性を決定していきます。

パッと見、つまみが多いなと感じると思いますが、その分理想的なサウンドに設定することが可能です。
コンプレッサーの基本を押さえておけば良く、あとはプラスαの機能を自分好みに調整できると考えおけばOKです。

なお、つまみは程よい抵抗感となっており、快適にパラメーターを変更することができます。

ペダル類の運搬方法によってつまみが接触する機会がある場合は、テープなどで固定する方法もありますね。私は多く持ち歩かないので、その都度設定を確認しています。

Attack

clefs-attack

コンプレッサーの動作を開始するタイムを設定します。
左回し切り(最速)で0.1ms、右回し切り(最遅)で20msとなります。
また、画像のようにセンターの位置でおおよそ10msに設定されています。

スラップなど一音の頭が大きくなりがちな時は速め、
指弾きで頭の存在感を残しつつ圧縮したい場合は遅めに設定すると良いでしょう。

こればかりは弾くジャンルや好み、EQの設定なども関係してくるので一概にこれが良いという設定はありませんね。ご自身で良いと思うポイントを探っていきましょう。

Release

clefs-release

圧縮の保持時間を設定します。
左回し切り(最速)で50ms、右回し切り(最遅)で500msとなります。
また、画像のセンターの位置でおおよそ135msに設定されています。

先ほどのAttackのように、弾くジャンルや好みによって設定しましょう。

Ratio

コンプレッサーの圧縮比率を設定します。
左回し切り(最浅)で1.5:1、右回し切り(最深)で20:1になります。
画像のセンターの位置で4:1となるように設定されています。

Threshold

コンプレッサーの動作を決める閾値を設定します。
左回し切り(最小)で-30dB、右回し切り(最大)で+10dBとなります。

直前につなぐ機材(ベースやバッファーなど)によって適切に設定しましょう。
イメージとして、より深めに圧縮したいときは動作開始を早める方向で閾値を低めにし、浅めに圧縮したい場合は閾値を高めに設定します。

先ほどのRatioと合わせて圧縮の具合を設定しましょう。

Blend

原音のmix比率を設定します。
左回し切りでWet100%(圧縮された音のみ)、右回し切りでDry100%(原音のみ)となります。

過度に圧縮されてアンサンブルでの音抜けが悪い場合など、原音を混ぜてあげると良い結果につながることが多いです。

最初にWet100%で設定してから徐々にDry信号(原音)を混ぜていくと良いでしょう。

Gain

出力の音量を設定します。
左回し切り(最小)で0dB、右回し切り(最大)で+20dBとなります。

コンプレッサーで圧縮された分の音量を持ち上げましょう。
ペダルをON/OFFしながらスルー信号の音量と比較し、決定します。

SCHP

サイドチェインハイパスフィルターの周波数を設定します。
左回し切り(最小)で20Hz、右回し切り(最大)で400Hzとなります。
画像のセンターの位置でおおよそ90Hzとなり、E弦開放の第二倍音よりも低い周波数帯域に圧縮がかかりにくくなります。

コンプレッション対象の信号にハイパスフィルターをかけてあげることにより、低域の過度な圧縮を抑えてダイナミクスを確保するためのコントロールです。

低域の存在感をそのままに、対象とする中域以上のコンプレッションをより適切に行うことができ、ベースが出す音域全体を通して整える効果が得られます。

近年は特にベース用コンプレッサーにこのサイドチェイン機能を有するペダルが増えてきている印象です。それほどニーズが高まっていることなのでしょう。

Feed

コンプレッサーのキャラクターを設定することができます。
左回し切りでFeedForward、右回し切りでFeedBack方式となります。

詳細な説明は専門家の方に譲るとして、後程紹介する動画でそのサウンドを是非聞いてみてください。

サウンドチェック

サウンドチェック用の動画をYouTubeにアップしたので是非ご覧ください。

動画は以下の内容になっています。

  • 深めのセッティング(スラップ→指弾き)
  • 浅めのセッティング(スラップ→指弾き)
  • パラメーターの解説
  • 原音mixの調整
  • SCHPの調整
  • Feedの調整

なお、録音環境及びシグナルチェインは以下の通りとなっています。

  1. ベース:Sugi NB4(Passive)
  2. ペダル:Clefs VCA Compressor(本機です)
  3. Preamp:Floatia Designs TFDI-02
  4. DI:HumpBack Engineering HDDI
  5. オーディオインターフェース:RME Baby Face Pro FS
  6. DAW:Studio One 6 Professional

セッティング方法

動画内で紹介しているセッティングについて見ていきましょう。

深め

※動画の再生位置を変更して再掲しています。

動画の冒頭で紹介している深めのセッティングになります。
コンプレッションに影響する主要な設定は以下の通りです。

設定
  • Attack:8時
  • Release:14時
  • Ratio:15時
  • Threshold:11時

また、コンプレッサーの特徴がわかりやすいように

  • Blend: Wet100%
  • SCHP:20Hz
  • Feed:フォワード

に設定しています。

深めに設定することによりはっきりと圧縮されていることがわかるかと思います。

私はスラップを多用するのでこのような深めのセッティングが好きです。

浅め

※動画の再生位置を変更して再掲しています。

続いて浅めのセッティングになります。
主要な設定は以下の通りです。

設定
  • Attack:8時
  • Release:14時
  • Ratio:10時
  • Threshold:12時

指弾きメインの方など、フレーズの頭を残しつつ適度なコンプレッションを望む場合は浅めのセッティングにしましょう。
その場合、Attackをもう少し遅めても良いと思います。

Blend

Blendの効き、原音を混ぜていった時の最終的なサウンドの質感を聞いてみてください。

いかがでしょうか。
セッティングは深めにしていますが、もう少し低域の輪郭が欲しい場合に少しずつ足してあげると良い結果につながります。

個人的には、以下の画像の通り9時くらいの設定がベストだと感じています。

SCHP

SCHPの効き、いかがでしょうか。

弾く曲にもよりますが、現在は4弦をメイン機にしているので以下の設定がマッチしています。
おおよそ90Hzの設定となります。

Feed

Feedの変化についてご確認ください。

個人的にはよりはっきりとした圧縮感を得たいため、以下の通りフィードフォワード寄りの設定にしていることが多いです。
動画内では9時ですが、10時くらいに設定していることが多いです。

メリット・デメリット

本機材を導入するにあたってのメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

  • FET、OPTが良いというこだわりがなければコンプ選びは落ち着く
  • 指弾き、スラップなど守備範囲が広い
  • 多弦ベースにも対応

正直、ペダルの性能だけで判断すればもうコンプ選びは終わってしまったかなという印象。

指弾き、スラップと記載しましたが、もちろんピック弾きのベーシストにもおすすめです。
ローB弦を多用するハードなDjentやメタルなどのジャンルにも十分に対応できる能力がありますね。

デメリット

  • 大きな味付けがない
  • 市場価格が6万円ほどと高価
  • 手に入りにくい

性能面でのデメリットは正直ありません。
EBSのマルチコンプのような大きな味付けをコンプレッサーに求める人には向いていないと思います。

また、個人製作のため高価であることと生産数が極めて少ないことが挙げられます。

個人製作と聞くと品質はどうなの?と考える方もいると思いますが、その辺の市販されているペダルよりもはるかにノイズ耐性が高く、作りは最高品質です。

スラップ向きのマルチコンプのレビュー記事はこちらです。

入手方法

現時点での取扱店は、黒澤楽器 G-Club渋谷店さんのみになります。
※B1Fのベースフロアでの取り扱い。

また、同店舗はデジマートでも出品を行っているので是非チェックしてみてください。

まとめ

今回はClefsのVCA Compressorについてレビューしてきました。

ここまで多機能で高品質なペダル型コンプレッサーは数少ないですね。
足元のダイナミクス制御に妥協したくないベーシストは是非チェックしてみてくださいね。

まとめると、

原音mix、SCHP、Feed調整ができる多機能コンプレッサー


生産量、販売店が限定的

となります。

今回もご覧いただきありがとうございました!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

音楽好きな家族の影響でベースを始め、スラップ歴は十数年。学生時代にバンド活動を経験し、今はSNSに演奏動画を発信しています。普段は会社員ですが、ベースが好きすぎてどんなに忙しくても毎日弾いています。

コメント

コメントする

目次