【ベースコンプ】スラップのためのEBSマルチコンプレビュー【動画】

目次

概要

今回はベーシスト御用達の有名エフェクター
EBS MultiComp(通称:マルコン)について解説していきます!

  • 最初のエフェクター選びに迷っている
  • マルコンって聞いたことあるけどどんな音がするの?
  • みんな持っているし買おうか迷っている

という人に参考になれば嬉しいです!

結論、スラップをやる人だけでなく全ベーシストにおすすめです!

※マルコンはさまざまなバージョンがありますが、今回は最も新しい
EBS MultiComp Blue Label」をご紹介します。

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EBSとは

EBS

EBSは1988年に、それまでスタジオ機器のサポートをしていたメンバーが、ベースプレーヤーのために本当に必要な機器を設計・提供して行こうという思いの元に創業されたメーカーです。

モリダイラ楽器より引用

青を基調としたメーカーロゴは見たことがある人も多いのではないでしょうか。
キャビネットやアンプヘッドを採用しているスタジオもあるので、
意識せずに目に入っていることもあるかと思います。

今回紹介するマルチコンプも含め、

EBS
  • ベースアンプヘッド
  • ベースコンボアンプ
  • ベースエフェクター
  • ギターエフェクター
  • スピーカーキャビネット
  • パッチケーブルなどのアクセサリー

様々な商品を展開しているスウェーデンのメーカーです。

マルチコンプとは

マルチコンプ

THE EBS MULTICOMP BLUE LABEL IS AN ANALOG, HIGH PERFORMANCE, MULTI-BAND COMPRESSOR PEDAL THAT WILL IMPROVE YOUR SOUND INSTANTLY.

EBSより引用

マルチコンプとは何?と聞かれたらこの文句に尽きると思います。
簡単に訳すと、

アナログで高性能なマルチバンドコンプレッサーペダル。
速攻でサウンドの質を向上させます。

といった感じでしょうか。

今はデジタル信号処理でもコンプレッサーの動作に違和感がありませんが、
それでもなおアナログ処理での温かいサウンドを求める人は多くいます。

参考

特にベーシストはその傾向が強い印象。
真空管アンプなどはサイズも大きく、扱いも丁寧にしなければいけないことから
ハンドリングが悪いのですが、
サウンドにこだわるベーシストは自前の真空管ヘッドアンプを所有していることが多いです。

このエフェクターは良くも悪くも「マルチコンプの音」にわかりやすく変化します。
求めるサウンドにマッチしていればこれほど便利で使いやすいペダルはないと思います。

さすが売れ続けているだけのことはあるな、という納得のサウンドです

マルチコンプの外観

それでは外観を見ていきましょう。

マルコン

アルミ筐体を黒く塗装した外観はいかにも仕事できます感がありますね。
シンプルではありますが調整できるつまみは多く、簡単にベストなセッティングが可能です。

つまみ

マルコンつまみ

マルチコンプには3つのつまみがあります。

コンプレッサーは基本的に以下のパラメーターで設定していくことが多いのですが、
これらのパラメーターを3つのつまみだけで最適に設定することが可能です。

コンプレッサーのパラメーター
  • InputおよびOutput →入力および出力レベル
  • Threshold →閾値
  • Ratio →圧縮比率
  • Release →コンプレッション(圧縮)を開放するタイミング
  • Attack →閾値を超えてからどのタイミングで圧縮を開始するか

COMP

コンプレッション(圧縮)の効き具合を調整します。
右に回せば回すほど閾値を超えた音がより強く圧縮されます。
いわゆるレシオと思って頂いて問題ありません。
※実際にはコンプレッサーに必要な他のパラメータが自動で最適化されています。

SENS.

コンプレッションする閾値を調整します。
右に回せば回すほど小さい音に対してもコンプレッションがかかります。

GAIN

出力ゲインを設定します。
基本的には、原音と比較してコンプレッションで小さくなった分の音量を持ち上げます。

MODEスイッチ

モードスイッチ

銀色の小さなレバースイッチを上下に倒すことでモードを変更できます。
以下の3つのモードがあります。

TUBE SIM

真空管を通したような温かく、太い音になります。
わずかにサチュレーション感が加えられ、存在感が増す音になります。

MB

マルチバンドモード。
いわゆる「ドンシャリ」な音に近づきます。
スラップしていて非常に気持ちが良い音です。

一般的なマルチバンドコンプレッサーは、
ローとハイの帯域を積極的にコンプレッションして密度が増すことからドンシャリに聞こえます。

Normal

特に大きな味付けがないモードで、
初めの音作りはここからスタートすることをお勧めします。

スラップを多用するのであればMBモードがおすすめです!

Active Passive切り替え

側面にある黒いスイッチを押すことでアクティブ・パッシブの切り替えが可能です。
スイッチが深く固定されている状態がアクティブ。
手持ちのベースによって変更しましょう。

アクティブの方がパッシブよりも出力が高いため、
アッテネーター(ATT:信号を減衰させるもの)を用いて入力レベルを最適化します。

パッシブベースでACTIVEモードにすると減衰されすぎてしまい、
音量が小さくなります。
その反対は逆の効果になってしまいます。

ベースアンプの入力もアクティブとパッシブで分かれているものも多いですね!

その他

input output

入力と出力

一般的なエフェクターのように右側が入力、左側が出力です。
白い矢印を参考にパッチケーブルやシールドケーブルを接続しましょう。

エフェクターケース内がごちゃごちゃするので、
シールドの方向はできれば統一したいところ。。。

入力電圧

入力電圧

9Vしか対応していないエフェクターも多い中、
このマルチコンプは9-18Vの電圧に対応しています。
広く普及しているセンターマイナスの電源ケーブルで問題ありません。

12,18Vと昇圧していくと音像がクリアになっていく印象があり、
エフェクターボードの兼ね合いで問題がなければ昇圧して使用することをお勧めします。

フットスイッチ

フットスイッチ

スタジオで使用していく際に案外大事になるのがこのフットスイッチ。
足で踏まれることが多いのでどのメーカーも金属製のスイッチを用いています。

ほかのメーカーのエフェクターに比べ、EBSのものは角が取れたものを採用。
土足厳禁のスタジオでも足が痛くなりにくく、地味にありがたい配慮です。笑

スイッチはカチカチと押しごたえがあるものではなく、スコスコと軽い印象。
LEDでON/OFFの確認ができるので実用上は全く問題ありません。

マルチコンプの内観

裏蓋を外した状態。
ついでにインプットジャック部分も外していますね。

エフェクター下部には9V電池を格納できるスペースも確保されています。
電池使用がお好きな方も問題なく使用できます。

基盤の表面までは確認しませんでしたが、
品質不良の話も聞かないので無理なパーツ配置などにはなっていないと思います。

Band Balance

バンドバランス

マルチバンドモードで使用するBand Balanceコントロールが搭載されています。
コンプレッサーを適用する帯域を低域側にするか高域側にするか変更可能。

基本は工場出荷時のままで問題ありません。
表のつまみを変更してもいまいちだなと思う場合は好みに合わせて変更してみましょう。

サウンドチェック

動画をご覧ください。

いわゆる原音変化型のペダルになります。
通しただけで「マルチコンプの音」に変化しますね。

これには好き嫌いがありますが、この特性を利用して音作りをしているベーシストも多い印象。

近年のロックシーンに適した存在感のある音を簡単に実現でき、
コンプのかかり具合を調整すればロックだけではなく様々なジャンルにも対応可能です。

マルチコンプの音作りの方法

次に音作りの方法について見ていきましょう。
つまみも少なく直感的にセッティングが可能なのがマルチコンプの良いところですね。

特性を理解しよう

まずは各つまみが入力に対してどのように影響するか確認しましょう。

COMP

圧縮比率を1:1~5:1まで変更可能です。
正確には違うかもしれませんが、つまみもリニアに効く印象。

細かいフレーズやゴーストノートをはっきりと目立たせたい場合は強く圧縮させましょう。

SENS.

閾値は-25~+6dBの範囲で選択できます。

小さな音にも反応させたい場合は感度を高めます。
あまり高くしすぎるとのっぺりとしたメリハリのない音になり、
演奏に表現がつけにくくなります。

GAIN

ゲインは0~15dBまで変更できます。
圧縮された分持ち上げましょう。

コンプOFFとONの音量差を耳でチェックしてGAINを設定するのが基本です!

好きなモードはどれ?

次に、それぞれのモードについて音を確認していきます。

NORMAL

特に大きく味付けはされず、自然にコンプレッションされますね。
それでもいわゆる「マルチコンプの音」にはなります。

MB

いわゆるドンシャリの音
ハイも上がりすぎず、耳障りも良いです。

TUBESIM

やや太く、温かみのある音に変化しましたね。
グッと存在感を出したい音作りの際におすすめです。

おすすめセッティング

それぞれのパラメーターがどのような役割をするか理解したうえで、
好きなセッティングを探ります。

ここでは私の環境で良い音だと感じるセッティングを紹介します。

COMPは14時SENS.も14時くらいがちょうど良いと感じました。
MODEはMBです。

実際には、前後につけるエフェクターによって変わってくると思います。
動画中ではベース→マルチコンプ→オーディオインターフェースと繋げており、
他にエフェクターは繋げていません。

マルチコンプのメリット・デメリット

マルチコンプを使用していく上でのメリット・デメリットを挙げてみます。

メリット

  • スラップに適した音作りがしやすい
  • 指弾きにもマッチしやすい
  • 入手しやすい
  • パラメーターがシンプルで直感的な音作りが可能

デメリット

  • 「マルチコンプを通した音」になる

ベース自体の良さを消してしまうこともないですし、
原音変化型のエフェクターに抵抗がなければお勧めしたいコンプレッサーです。

ほかのシリーズ

今回紹介したMultiComp Blue Labelのほかに、数種類のマルチコンプが存在します。

MultiComp Black Label (~2007)

マルチコンプ初代
公式サイトより引用

初代のモデルです。
周りで所有している人もいるのではないのでしょうか。

公式サイトの画像が白黒だったのでそのまま載せてます。笑

MultiComp Black Label True Bypass (2008~2015)

マルチコンプ2代目

いわゆる2代目モデル。
このモデルはTrue Bypassを売りにしていますね。
通すだけでマルコン、ということもないのでしょうか。

機会があれば現行モデルと比較してみたいと思います。

まとめ

今回はEBSのマルチコンプについて、その特徴と音作りについて解説しました。

まとめ
  • つまみが3つとシンプルで、直感的に音作りが可能
  • MBモードはドンシャリ、TUBESIMモードは音が太くなる
  • 18Vを加えると音像がクリアになり、そこがグッと持ち上がる
  • 1台目のコンプレッサーにおすすめ

スラップを多用するベーシストに特におすすめです!
今後機材にこだわっていきたいプレイヤーも一つの基準として保有することをお勧めします。

以下のリンクから購入できます。

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この記事を書いた人

音楽好きな家族の影響でベースを始め、スラップ歴は十数年。学生時代にバンド活動を経験し、今はSNSに演奏動画を発信しています。普段は会社員ですが、ベースが好きすぎてどんなに忙しくても毎日弾いています。

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